特別ゲスト(財)広島平和文化センター理事長 スティーブン・ロイド・リーパーさんのお話
2008年2月9日ピース☆フェスタfromくらしき にて

 僕はコメンテータとして呼ばれて、アメリカ的に遠慮なくコメントしようと思うのですが、その前に素晴らしい人と今出会ったのでご紹介させてください。一見不自由な体で、素晴らしい貢献をしている牧野さんですが、一言、自己紹介を。今どういうことをなさっているのかをお話ください。
牧野)こんにちは。リーパーさんの話を待たれてるところにしゃしゃり出て申し訳ないのですが、僕は「口と足で描く芸術家協会」というところで絵を描いています。うちの協会の絵もロビーに何点か飾っています。世界中に僕と同じように両腕の自由を失った絵描きさんが居ます。中には戦争で、あるいは自国の紛争、軍隊のパラシュートの訓練中に怪我をした絵描きさんが居ます。みんな平和を祈りながら自分の思いを込めて絵を描いていますので、その絵を見て頂いたら良いかなと思い、僕も来させて頂いて、少し色紙を何枚か描こうかなと、ロビーで描いています。興味があったら見に来ていただけたらと思います。
リー)どうも有難うございました。ぜひ見に行ってください。
   (楽屋で牧野さんと話をして、一緒に舞台に上がるアイディアを実行してくれました)牧野さん、退場。
以下、リーパーさんの講演のテープ起こし

 まず批判から。、この素晴らしいイベントの大きな問題は、席が空いていること。もったいない、片山さんと3市長のいろんな素晴らしい話を聞くチャンスがあって、これだけの人数ではもったいないと思います。イベントを準備した人のせいではない。本当に日本で平和のためのイベントの集客は大変難しいことです。なぜかと言うと、日本人には危機感が無い。なぜ危機感がないかと言うと、今の世の中の状況を理解していない。もうひとつは「平和」です。平和の国の中で平和活動をしようという気にならないです。大体の日本人は今の平和な状況はずっと続くと信じて、今平和ではないか、なんのために平和の話を聞かねばならないのだと思っている。
 もうひとつは、平和を愛する人たち、重んじる人たちは戦いたくない。何かのために戦うとか、何かのために働くとか、そういうタイプの人間ではないと思う。みんなただ黙って、心の中の平和を保てばよいとか、自分の怒りを抑えればよいとか思っている。
 今世界は非常に危ない時期に向かってるんです。本当にこの一年でアメリカが核兵器を使う可能性があります。イランで核のバンカーバスターを使う可能性は十分ある。
 平和を考えると、長期的な問題と短期的な問題がある。長期的には教育。3市長が言っていた国際交流、それは長期的な平和をつくる課題で、戦争文化から平和文化への卒業を考えると絶対必要。
 今の短期的な課題は、核兵器です。核兵器が使われたら、もう平和文化への卒業は考えられなくなる。平和文化への卒業はできなくなる。その可能性が消えていくのです。アメリカのニューヨークでテロがあった。ビルが落とされた、その怒りと恐れは今でも回復していない。ある小説家が「アメリカンヒロシマ」という小説を書いてるが、ジェット機がビルにぶつかる直前になって、操縦者がインディアンポイントという核原発省にぶつかったほうが良いと言ったんですね。もしそういうことになったら、ビルでなく核施設にぶつかったとしたら、ニューヨーク全体を永遠に失くしたことになった。チェルノブイリは25マイルの中に人はまだ住めない。
 とんでもない事件が本当に起こる可能性がある。我々人類は大きな分かれ道に立っている。この2年の間に核兵器をなくすか核兵器を使うかと言うことを決める。2005年核不拡散会議の再検討会議があったが全く失敗した。何にもできなかった。2010年にまた再検討会議がある。そこで同じような失敗があれば、もう条約は消える。そうなれば44の国が数ヶ月数年の間核を持てるようになる。条約が消えると誰でも自由に作れる。本当に核をなくさなければ、たくさんの国が核を持てるようになる。中近東だけでは12カ国が新しい核の企画を作っている。自分でウラン濃縮ができるとか、それを防ぐためにはひとつの方法しかない。全世界の核兵器をなくすこと。
 今はアメリカだけが核を持ち続けようとしている。他の国は核を廃絶しても良いと言ってる。国連で核兵器を廃絶しようという決議が出たが、「はい」と言った国は170カ国。NOといった国は、3国のみ。アメリカ、インド、北朝鮮。北朝鮮はお金の代わりに廃絶しても良いと言ってる。インドは、アメリカが廃絶したらすぐに廃絶すると言ってる。問題はアメリカ。
 今の世界連邦運動がやろうとしていることは一番大事と思う。以前はアメリカとソ連は冷戦で世界をコントロールしていた。今の問題はアメリカ対国連。アメリカが一番国連を邪魔してる。アメリカに対して全世界はアメリカに対して「お前は世界のボスではないよ、コミュニティの一員」と言う風に動いてもらいたい。誰がそのメッセージを伝えるのかというと、日本が一番だいじ。日本がそれだけの経済的・政治的・社会的な力があるから。日本のトップは、だいたいアメリカの軍需産業からお金を得ようとしている。だからアメリカと対立したくない。それは非常に危ない道です。アメリカに対して「絶対に戦争をしてはいけない、戦争があっても絶対に核兵器を使ってはいけない。お前は世界のボスではない、国連の中で文明的に民主主義的にものごとを話したり、平和的に決めるべきだ」と強くアメリカに言うべきと思う。ある意味では、アメリカはどうしようもない。今まで帝国を作ってとんでもない軍事産業に振り回されている。
 今アメリカで101の原爆展をアメリカで開こうとしており、今帰ってきたところ。また2~3週間で行きます。アメリカでキャンペーンはしていますが、アメリカ人だけではもう何もできない。弾圧がなければ、アメリカは変わらない。どこからの弾圧がほしいかと言うと、一番大事なのは日本です。日本はアメリカの友達。皆さんの友達が飲酒運転をしようとしたら、NOと言うでしょう。良い友達ならNOと言うのです。だから日本が友達としてアメリカに対してNOと言うべき。だから本当に危機感を持ってほしい。もっともっと。本当に危ない。
 今でもアメリカは世界の人口の4%で25~30%のオイルを使っています。日本、アメリカ、ヨーロッパでは80%。それは維持できない事実です。中国がもっともっとオイルが必要になり、インドもです。どんどんどんどんオイルがほしいと言ってる。解決方法は2つしかない。暴力的か平和的か。今は暴力で解決しているのが主流。今、平和を愛する人たちは、ただ黙って自分の中で平和を保つことだけではいけない。戦わなければならない。文明的・民主主義的に決める必要がある。でなければ子どもたち孫たちが苦しむ将来になる。平和を愛する日本人として、役割が大きいと思います。